サウジアラビア化 ( イスラム 一部過激化の背景 )
毎日新聞に「 東南アジアのイスラム サウジ影響、一部過激化」 という記事が出ていた。
マレーシアにも関係する記事だ。
一部 抜粋すると こんなことが書いてある。
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1) 東南アジアのイスラムは歴史的に非常に「寛容」なイスラムとして知られてきた。しかし、世界的なイスラム復興の流れの中、東南アジアでも「寛容」とはとても言えないようなイスラムが広がっている。
2) 東南アジアにおけるもっと広い意味でのイスラム化の動向である。東南アジアでは、フィリピン南部でも、インドネシアでも、マレーシアでも、タイ南部でも、経済が成長し、教育が普及し、中間層が拡大するにつれて、自覚的に敬虔(けいけん)なイスラム教徒になろうとする人たちが増えている。その人たちの圧倒的多数はイスラムの教えにしたがって良きムスリムとして生きようとする人たちである。しかし、時とともに、そういう人たちの中から、実践されるべきイスラムとは、聖者信仰などを否定した「正しい」イスラム、あるいは「初期イスラム」の時代に「先祖・先達」が実践したようなイスラムであると考えるサラフィ主義者、さらにはイスラムを政治的イデオロギーとして選択し、イスラム国家建設のためには軍事的手段も許されると考えるイスラム主義者も増えている。
3) 民主化によって言論と出版の自由が保障され、サウジアラビアの財団の助成でアラビア語書籍が次々と翻訳・出版され、ますます多くの若い人たちがサウジアラビア政府の奨学金などで留学するようになったからである。つまり、教育の普及と中間層の拡大する中、多くの人たちはますます敬虔なイスラム教徒になっているだけではない。「正しい」イスラムとはサウジアラビアで実践されているようなイスラムであるという考えが広がり、イスラムの「サウジアラビア化(ワッハービ化)」ともいうべき現象が起きている。
出所
東南アジアのイスラム サウジ影響、一部過激化=日本貿易振興機構アジア経済研究所長・白石隆
毎日新聞2017年11月14日
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へーええ、サウジアラビアが背景にあったんだぁ。
私が滞在するイポー郊外のリゾート住宅地区にあるホテルにも、 目だけを除いて全身を黒装束で包み込んだ女性客がいたが、サウジアラビアからの客だった。
あーいう黒装束って とても不気味なんだよなぁ、正直な話。
Indonesia, Malaysia, Philippines seek ways to prevent extremism | New Straits Times | Malaysia General Business Sports and Lifestyle News
フィリピンで開催されるアセアン首脳会議では 安倍総理大臣、トランプ大統領、それに中国の李克強首相らが出席し、地域の政治や経済について幅広く議論を交わす ことになっているが、北朝鮮問題や南シナ海問題では 温度差がある と解説されている。
この温度差という点では 「seek ways to prevent extremism」とある「イスラム過激化阻止策協議」 への非公式協議 として インドネシア、マレーシア、フィリピン の三か国外相会議では サウジアラビア化の問題は どう取り上げられたのか、と思い 記事を読んでみたが、サウジアラビアのサの字も出ていない。
特定の国が背景にあるなんてことは オブラートに包んで 対応策を協議するのだとしたら、温度差どころじゃなく、大変なことだ。
また、日本は親サウジアラビアなので、非公式会談と言えど 一切 参加しないというスタンスなんだろうなぁ。
以上 (11/14 記)