gary1212のブログ : マレーシア、イポーでの生活。

滞在期間がマレーシア以外の時も 含んでいます。

マレーシア-イポー長期滞在生活での日常での出来事を書いてます。

ブログの目的は、もっぱら自分自身用の日記です。

不特定多数の方に情報を早く正確に伝達したい というつもりでは全く書いていません。

このためローカルの友人からもらった情報で、それが不確実な情報でも 私が関心を持ったものは 書いています。

繰り返しますが 読者のみなさんへの確実/正確/迅速な情報提供をしたい と思って書いているのではありません。

それじゃ困る と思う方は どうぞ 読まないでください。

よしなに。

マレーシアの闇 (モンゴル女性通訳兼モデル殺害事件 モンゴル大統領からも再捜査要求 )



モンゴル大統領が 「マハティールはモンゴル女性モデル殺害事件を再捜査すべき」 とのコメントを出した。


Dr Mahathir should reopen Altantuya case, says Mongolia's President


https://www.thestar.com.my/news/nation/2018/05/18/dr-mahathir-should-reopen-altantuya-case-says-mongolia-president/





この事件の概要は 以下のとおりだ。


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2006年10月にモンゴル人女性殺害事件がおきた。


この殺害事件は、モンゴル人の元モデル、アルタントゥヤ・シャアリブ(28)がクアラルンプール郊外の密林で射殺されたという事件だ。


実行犯として 二人の警察官があがった (また政府高官側近が背後にいたとの容疑)。


連邦裁判所判決では、第二審(無罪判決)の控訴審判決を破棄し、有罪とした高裁判決を支持。


これにより実行犯である2人の死刑判決が確定。


しかし 死刑確定時には被告人(注)は 既に オーストラリアにおり 、その後 マレーシアには帰国していない。




(注) 実行犯2名ともオーストラリアにて拘留中なのか、実行犯のうちの1名だけがオーストラリアで拘留中なのか、記事内容からは不明だが 1名だけ だと思われる。




オーストラリアは 死刑制度のあるマレーシアへの引き渡しはできないという理由で そのままオーストラリアでの拘留が現在まで継続中だ。




死体は 証拠隠滅のためだろうか、軍用のプラスチック爆弾で爆破された異常な状態で発見されている。



Altantuya, 28, was shot dead and her body blown up with military-grade plastic explosives outside Kuala Lumpur.






殺害を実行した警察官2人は政府高官のボディガードだった。つまりシークレットサービス部署所属のエリート警官だったというわけだ。


護衛対象となっている政府高官には 首相/副首相クラスの他に アブドル・ラザク・バギンダも含まれていたのだろうか。


このアブドル・ラザク・バギンダは 、ナジブ・ラザク副首相(当時)の側近だった。 そして アブドルラザクも実行犯とともに殺人容疑で起訴された。


犯行を指示したとされたアブドルラザクは2008年に証拠不十分で無罪となっている。


他方、警察官2人は2009年に有罪判決を受け控訴。


2013年の控訴審判決では実行犯とされた2名に逆転無罪の判決がおり、検察側が連邦裁に上告していた。



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以上が 殺害事件の概要だが 巷では、アルタントゥヤがなぜ殺されたのか、実行犯の警察官2名にとっては 殺害の動機が乏しいところから 何か とんでもないスキャンダルが絡んでいるはずだ、という憶測が飛び交った。


1) アルタントゥヤについては、ラザクと不倫関係にあった。

2) ラザクが関わったフランス製潜水艦「スコルピオン」購入に関係し、アルタントゥヤが通訳/仲介役をした。

3) アルタントゥヤは 不倫相手のラザクに 50万米ドルのリベートを要求していた。

4) 潜水艦購入に関しては、当時のナジブ副首相(国防担当)も関与していた。



以下私見だ。


(1)不倫関係については 事実なのか どうかは 未確認だが 推測としては あり得る範疇だろう。

(2)通訳/仲介役 については 多分 未確認情報であり 与太話の範疇だろう。 一体何語の通訳をしたというのか? それに 元モデルが潜水艦の購入仲介なんて 出来るはずないじゃないか。

(3)リベート要求 は わからないなぁ、。リベートじゃなくて、不倫関係をバラすぞ、とか 慰謝料をくれ とか なら わかるけど。

(4) 副首相で国防担当大臣兼任なら 潜水艦購入決定過程への関与は当然だ。別におかしなことじゃない。



以上の私見分類に基づく「あり得る範疇の未確認情報」と「与太話」と「推測」と「事実関係」を繋ぎ合せると、 この事件は 国防のための潜水艦調達を巡って 政府高官が疑惑取引を進めているのを知ったアルタントゥヤが自分にも分け前をと愛人にゆすりをかけたから 殺されたのだとか、政府高官とは ラザクのほか 浪費家の妻ロスマーを持つナジブ も含んでおり、ロスマーの浪費資金確保のために ナジブ が潜水艦購入取引で何か スペシャルアレンジを ラザクに依頼したのだとか、巷では 憶測が飛び交ったのだ。




うえからの指示で 実行犯となった警察官2人はスケープゴートにされたのであり、この事件は マレーシアの政界の闇に隠れた何かがある という噂は ずーっと続いていた。



Najib has repeatedly denied any wrongdoing over the deal amid allegations that French submarine maker DCNS paid "commissions" of more than 114mil euros (RM534mil) for two Scorpene submarines, which Malaysian critics allege were kickbacks.


上記の英文記事には 「フランスの潜水艦製造メーカーのDCNSの支払った114百万ユーロのコミッション」と書いてあるあるので 多額の手数料が支払われたことは間違いない ようだ。


そう言えば日本でもあったなぁ、ロッキード事件ってのが。



今回の総選挙で、ナジブ 敗退で 政権がマハティールに移った今、1MDB疑惑の解明がどのように進むのか ということだけでも 国内外を通じて世間の注目は マレーシアに向かっているのだが、果たして モンゴル女性通訳兼モデル殺害事件 の方にも マハティール政権は 再度の見直しをかけるように 捜査当局に指示することになるのだろうか。



最近のマレーシアの新聞記事では、1MBDに続いて Altantuya murder とか Mongolian model murder scandal のタイトル記事が増えて来ている。


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Need for RCI on Altantuya case | New Straits Times | Malaysia General Business Sports and Lifestyle News


https://www.nst.com.my/news/nation/2018/05/371389/need-rci-altantuya-case




Authorities should reopen investigations in Altantuya murder


http://www.thesundaily.my/news/2018/05/18/authorities-should-reopen-investigations-altantuya-murder




Mongolian model murder scandal: Sirul deserves a new trial, says Anwar


https://www.thestar.com.my/news/nation/2018/05/17/anwar-policeman-in-malaysian-murder-scandal-should-face-new-trial/


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上記の各記事のうちから一部を抜粋すると


“He fled from the country to Australia just before the Federal Court convicted him and Azilah Hadri of Altantuya’s murder in 2015. Despite assuring the nation that he would be extradited the previous Barisan Nasional government has done absolutely nothing to do so and he remains merely under detention by the immigration authorities there.”


He said that Australia is providing asylum for Sirul was because the country is against the death penalty punishment.


“If the death penalty is switched to life imprisonment, the Australian government will most certainly deport him to Malaysia to serve his sentence here.


オーストラリアのイミグレーションによる拘留下にあるが、もしマレーシアでの刑罰が死刑ではなく終身刑に変更されれば オーストラリア政府は マレーシアに引き渡しすることになるだろうと 予測される と書かれている。


更に こんなことも書かれている。


According to the newspaper, Canberra has allowed Malaysian officials and their middlemen to meet with him regularly, including one from Najib's United Malays National Organisation party's youth wing a fortnight ago.


It cited a source as saying the Malaysian visitor delivered a message to his countryman: "Don't say anything."


オーストラリアでの拘留下であっても マレーシア政府関係者やその仲介人による実行犯への面会は定期的にあり、面会者からは 「余計なことは言うんじゃないぞ」というメッセージが出ている と言われている。



以上 (5/23 記)