gary1212のブログ : マレーシア、イポーからの異文化体験のお便り日記 を更新中。 日記なのですが 毎日じゃなくて、数日に一回程度です。

滞在期間がマレーシア以外の時は、「番外編」のタイトルにしています。

マレーシア-イポー長期滞在生活での日常での出来事を書いてます。
マレーシアと日本の文化の違い発見、地方への旅行で見つけた発見、などなど。
ブログの目的は、自分自身用の日記ですが、公開日記にすることで 情報を調べたり、確認する必要があるので、脳機能の活性化になっています。

非居住者 : 健康保険(国民保険) 、所得税/住民税 、 住民票、 公的医療保険 は 国内居住が要件に、 日マ租税条約



MM2H でマレーシアに長期滞在している人は 日本での住民票を抜いているケースが多いと思う。




非居住者になることから (MM2Hの年金所得について) 所得税/住民税が非課税(注)になる効果がある一方、国民(健康)保険には加入できなくなってしまうというデメリットもある。


(注) 所得税に関しては、国外源泉所得は非課税、 国内源泉所得は非居住者も課税であるが通常源泉徴収で完了。年金所得は 国内源泉所得税ではあるが 後述のとおり 日本マレーシア租税条約により非課税。 住民税に関しては 毎年、1月1日時点で居住していた市区町村に前年1年間(1月~12月)の収入から求めた住民税を納付する。だから 非居住者になったからと言っても すぐに非課税になるわけではない。つまり 年の途中に海外転出しても転出した年度の住民税は、全額納付が必要となる。




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非居住者に対する課税 |源泉所得税|国税庁


https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/gensen36.htm


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なお、所得税法上では 非居住者の要件として 必ずしも 住民票の有無が絶対要件ではないのだが、重要な判定要件の一つであることは間違いない。


どういうことかというと、 例えば、国税不服審判とか裁判になった場合、 住民票があるのに 居住者でないという立証をするためには 色々な証拠を提出しないといけない。他方 住民票がないからと言っても それだけで 非居住者であることの立証には ならない。



だから 正確には 「所得税(国税)サイドは 住民票の有無で居住/非居住を判定しないが、住民税(地方税)サイドは 1月1日時点での住民票の有無で判定する。」 という言い方になる。




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(参考) 国税庁ホームページより


https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm


No.2875 居住者と非居住者の区分

[平成30年4月1日現在法令等]


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公的年金等(退職年金/保険年金) の受給にあたっては 日マ租税条約の「年金所得への非課税」条項を適用を申請すること(注)で 日本側での源泉徴収を回避できる。


(注) 租税条約に関する届け出を年金機構経由(社会保険事務所)で税務署に提出する手続き が必要となる。 日マ租税条約 第15条で 日本の年金は 日本では課税対象とせずにマレーシアでの課税対象となる旨が書かれている。 だから 日本での源泉徴収はされないことになる。他方 マレーシアでは マレーシア国内の税制上、退職年金は非課税の取り扱いとなっている。よって 年金所得については 日本 / マレーシア の双方で 非課税となる。



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日本マレーシア租税条約


第1条  

1 この協定の対象である租税は、次のものとする。

(a) マレイシアにおいては、

(ⅰ) 所得税

(ⅱ) 補完所得税(すず利得税、開発税及び林業利得税をいう。)

(ⅲ) 石油所得税

(以下「マレイシアの租税」という。)

(b) 日本国においては、

(ⅰ) 所得税

(ⅱ) 法人税

(以下「日本国の租税」という。)

2 この協定は、1に掲げる租税と実質的に類似の性質を有する租税で、この協定の署名の日の後にいずれか一方の締約国において課されるものについても、また、適用する。


第15条  

1 一方の締約国の居住者である個人が他方の締約国から取得する退職年金(第11条に規定する種類の退職年金を除く。)又は保険年金に対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。

2 「保険年金」には、金銭又はその等価物による適正かつ十分な対価に応ずる給付を行なう義務に基づき、終身又は特定の若しくは確定することができる期間中、所定の時期において定期的に支払われる所定の金額を含む。

3 「退職年金」には、過去の勤務に関連して、提供された役務の対価として又は被つた傷害の補償として行なわれる定期的な給付(任意に行なわれるものであるかどうかを問わない。)を含む。


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その場合、社会保険事務所では 担当者は こう聞くだろう、「 住民票は抜いてあるのですよね。」、 あるいは 直接、担当者自身が自ら最後の住所地であった市役所や区役所に電話を入れて 住民票が抜いてあることを確認することもある。



日マ租税条約での 「年金所得への非課税」条項は、あくまで 「国税(所得税)に関する課税/非課税関係」を両国間で条約締結したものであり、地方税まではカバーしていない(補足参照) ので、社会保険事務所としては 源泉徴収義務の確認手続きの一環として 地方税である住民税についても非課税であることを確認する必要があり 住民票の有無をチェックした上で 受付する手順になっているのだろう。


(補足) 日マ租税条約 第1条1項には 所得税 法人税 と明記されており 地方税(住民税)は書かれていない。だから 住民税は 日マ租税条約では対象外なのだろうとは思うが 第1条2項には 「1項に掲げる租税と実質的に類似の性質を有する租税」も対象となる 旨が書いてある。だから もしかして 年金にかかる住民税も日本マレーシア間では 租税条約の対象なのかもしれない。なお、他国との租税条約では 地方税もカバーしている場合もあるかもしれない。租税条約毎に 内容は異なる。社会保険事務所の担当者としては 国ごとに異なる租税条約の内容等に熟知しているわけではないので まずは 住民票の有無をチェックする手順になっているのだろう。





さて 健康保険だが、MM2Hで マレーシアに長期滞在している場合、どういうケースに分かれるか を整理してみた。



1) 元の勤務先企業での健康保険組合の健康保険を 任意継続期間満了まで 利用するケース。( 住民票の有無は関係せずに 任意継続できる。海外での医療費も制約はあるが請求できる。)


2) マレーシアに来る以前より住民票を入れたままにして 国民保険加入状態を継続するケース。(海外での医療費も制約はあるが請求できる。)


3) マレーシアに来る時に住民票を抜いて クレジットカードの付帯保険に頼るケース。 ( 日本国内での医療費が原則カバーできない。海外での治療(or事故)開始後180日までは日本帰国後でも国内継続治療費請求可能。歯科(むし歯)治療は非カバー。保険請求額に上限があるので 複数のクレジットカード保有が望ましい。)


4) 抜いていた住民票を入れ直して、国民保険に加入するケース。その上で日本に短期(一時)帰国している期間に医療を受けるケース。 ( 住民税の納付が必要になる。 ただし 国税における非居住者ステータスは継続しているので 日マ租税条約の届け出を撤回する必要はないとは思うが 未確認。なお 住民票を入れ直した時点で マイナンバーが付与され それが 国税当局にも連絡され、実態は日本居住に変更意図あり として認定され 日マ租税条約の適用をストップされる可能性、あるいは 事後認定で 追徴課税される可能性もゼロではない。 その場合、国税不服審判とか裁判にて 住民票があるのに 居住者でないという立証をするためには 色々な証拠を提出しないといけない。)




では 新聞記事(写真)の 「外国人による公的医療保険の不適切利用 」を防ぐために 「国内居住を要件」 とする改正を検討しているという記事は なんらかの影響をMM2Hに与えるのだろうか。



加入者の被扶養親族が適用を受けるためには 被扶養者も日本国内の居住者であることを要件とする と書いてあるが、 そもそも これは 加入者自身が 日本の居住者であることが大前提になっているように読める。




となると 上記(4)の 「住民票を入れ直して、国民保険に加入しておき、日本に短期(一時)帰国している期間に医療を受けて、治療終了後 マレーシアに戻って 長期滞在を続ける」 ということは ( 繰り返すことも含めて ) ダメ というになるのじゃないだろうか。


上記(2) でも 同じく ダメ なのか 、 あるいは 日マ租税条約の届け出は 当初から出していないことを勘案して、当初から非居住者になる意図は持ち合わせておらず 年金受給時も国税/住民税/介護保険料の源泉徴収(注)を受けているので 居住者ステータス上の問題なし として取り扱われるのか。



(注) 住民税の場合は 正確には 源泉徴収ではなく 特別徴収 だ。でも 実質的には同じだ。どちらも 年金支給額から天引きされるからだ。もちろん確定申告の選択で 超過天引き分 を取り戻せる(源泉徴収)か、天引きで完結(特別徴収)かの違いはあるが、まぁ それほど大きな違いではない。




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総務省|地方税制度|公的年金からの特別徴収



http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/090130_1.html


公的年金からの特別徴収

65歳以上の公的年金受給者で、個人住民税を納税されている方にお知らせです。


平成21年10月から個人住民税の公的年金からの引き落とし(特別徴収)が始まります。

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いやはや 複雑なことだ。




以上 (11/7 記)