「宇沢弘文の数学」5 ( 総括、 マハティールにとっての最大のチャレンジ )
今回の勉強シリーズを総括してみた。
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数理経済学では 実社会における経済現象を解明できないと考えたのだろう、シガゴ大学教授時代に のちにノーベル賞を受賞したフリードマンと激しく対立した宇沢弘文は 日本に帰国して 宇沢経済学の構築に努めた。
宇沢経済学の主張の特色は 社会的共通資本 にある。
社会的共通資本 は 次の3要素で構成される。
1) 自然環境(土地,大気,土壌,水, 森林,河川,海洋等),
2) 社会的インフラストラク チャー(道路,上下水道,公共的な交通機関,電 力,通信施設等),
3) 制度資本(教育,医療,金融, 司法,行政等)
これらは 市場競争原理のもとで利用されるべきではなく 平等に利用されるべき である。
その上で それ以外の要素については 新古典派経済学の主張する市場競争原理の下で利用する という点に反対はしない。
市場競争原理における最適解は 数理経済学を突き詰めて行けば 解明できるかもしれないが、社会的共通資本を無視した経済的政策を施行してはいけない。
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以上が 今回 勉強した骨子だ。
その上で もうすこし考えてみた。
社会的共通資本 だが、そもそも 「それが腐っていない」 ということが重要な前提であるはずだ。
マレーシアの場合、『 腐敗構造の撲滅 』という点が マハティールにとって 最大のチャレンジだ。
以上 (1/1記)