gary1212のブログ : マレーシア、イポーからの異文化体験のお便り日記 を更新中。 日記なので毎日書くように努力してます。

マレーシア-イポー長期滞在生活での日常での出来事を書いてます。
マレーシアと日本の文化の違い発見、地方への旅行で見つけた発見、などなど。
ブログの目的は、自分自身用の日記ですが、公開日記にすることで 情報を調べたり、確認する必要があるので、脳機能の活性化になっています。

ブミプトラ政策 1 (マレー系の立場からの言い分) ( オランアスリの権利 )


( 今日のブログ記事は ちょっとばかり 重たい内容だ。)



マレーシアにはブミプトラと呼ばれる政策がある。

これは、マレー系住民への優遇政策で、大学入学や住宅デベロッパー販売など に適用される。




なぜ このような 差別的政策があるのか、と思っていたのだが、どうやらその背景は 英国からの独立時に遡るのだ。



次の新聞記事がある。


これは、成績が極めて優秀だったもかかわらず 医学部進学(国公立大学からの入学オッファなし)ができなかった華人の男子高校生と 、 彼よりも成績が劣っていたが、ブミプトラ政策のおかげで 国公立大学に医学部に進学できることになったマレー系の女子高校生の記事だ。


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Is Malaysia university entry a level playing field? - BBC News

http://www.bbc.com/news/world-asia-23841888

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記事には、医学部進学が叶ったマレー系の女子高校生の ブミプトラ政策に関するコメントが出ている。


"It is stated in the social contract back to independence [from the British] that Malays get special privileges and rights, whereas the non-Malays have their citizenship,"




マレー系でない人から見れば ブミプトラのような差別的政策は「 不合理そのもの である 、議論の余地なし、以上 終わり!」 と考えてしまう。


しかし、この女子高校生のコメントを読んで、マレー系にはマレー系としての言い分があり、マレーシアの歴史を考慮する以上、その言い分にもそれなりの理由がある んだなぁ と複雑な気持ちなのだ。





マレー系の人々のブミプトラ政策に関する思考過程は次のとおりだと 私は喝破する。




1) もともとマレー(ないしマレーシア)は マレー系の人々の国土だった。 ( なお、オランアスリは別格 )


2) それが、古くは ポルトガル、オランダ が支配下におき、 その後は 英国が 植民地にしてしまった。


3) そして 近年には、英国(産業資本)の都合で ゴム園労働者用にインド人連れて来たり、中国大陸からは 華人を錫鉱山採掘労働者として連れて来た。 ( 下記 参考 )


4) インド系や華人系というのは、そもそもの話、マレー(ないしマレーシア) への出稼労働者なのだ。マレー国民じゃないのだ。就労ビザで働く人々は 自動的に市民権などもらえるはずがないのだ。


5) 英国人が 勝手にマレー国土を (スルタンを操り) 自分のものにした上に 、出稼ぎ労働者まで 勝手に呼び込んでしまった。


6) しかも 出稼ぎ労働者の労力で儲かった利益は英国産業資本がかっさらっていった。( マレー系が 出稼ぎ労働者のおかげで 利益を得たことなどない、 つまり、マレー系は出稼ぎ労働者に対して 何らの借りはない。)


7) その英国から 独立することになった。


8) そこで 心優しいマレー系としては、独立にあたって、華人系やインド系には、出稼ぎ労働者というステータスではなく、市民権を与えてやることにした。


9) そして マレー国土の正当な所有者であるマレー系としては、独立にあたって、(もともとマレー系には市民権があることは自明なので) ブミプトラということで、華人系やインド系よりも一段優遇されるステータスを取得する、 というのは当然の権利である。 そうでなくちゃ バランスが取れないじゃないか。不公平じゃないか。


10) 華人/インド系 の人たちが マレー系へのブミプトラ優遇政策が気に入らない というなら、独立にあたって、英国人と一緒に どうぞ、自分の出身国にお帰りください。引き止めませんので。 としたはずだ。 ところが (帰った人々もいるが) あんた達は 帰らずに 残ったじゃないか。


11) 以上が 独立時の社会的な契約(合意事項)なのだ。




( 参考 )

英国の植民地政策として、マレー系 / インド系 / 華人系 の就労業種の分断政策により、これらの3大 人種/民族 が連帯しないようにした。

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The British rulers expanded the number of Chinese and Indian immigrant, creating an artificial occupational segregation on ethnic lines (1Malays in agriculture, Chinese in commerce and Indians in plantation, reinforced a sense of inter ethnic divisions and " thus" prevented any kind of solidarity among these major ethnic groups.





問題は、祖国に帰らずにマレーシアに残った人々の 後の世代 (子供 孫など子孫末代) にも 独立時の社会的契約が 継続適用されるのか、という点だ。


マレー系は、当然 継続適用 と考えている のだろうが、特に華人系は 当然に継続しない/継続してはいけない (社会的契約は親の世代の契約であり、子供は拘束されるべきでない )と考えるだろう。



しかし、厄介な問題があるのだ。


それは マレーシア憲法だ。


次の記事には、こんなことが書いてあるのだ。


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Article Review on Racial Quota on Malaysian University Entrance | Diana Khairuddin - Academia.edu

http://www.academia.edu/13577783/Article_Review_on_Racial_Quota_on_Malaysian_University_Entrance

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In the Malaysian constitution article153 provides

( 憲法153条にマレー系には教育/ビジネス/公共サービスに関する特別な権利がある旨が明記され、かつ その特別な権利はアゴン(国王)により保護される(セーフガード)とまで書かれている。)


" these constitutionally guaranteed 244 special rights became a major source of discontent among both Malays and non:MalaysA whereas Malays considered it insufficient" non:Malays took itas a discriminatory measure. In 1969, this discontent with the speciallights policy heightened the degree of tension among major ethnic groups and eventually led to the racial riots" suspension of parliament" and declaration of emergency.

( この憲法で保障されたマレー系への244項目の特別優遇権利を巡って、マレー系からは これじゃ不足という声が出る一方、非マレー系からは差別だ、という非難が出て、1969年には人種間での暴動に発展し、国会停止 / 非常事態宣言 になってしまった。)




希望の医学部進学が決まった女子高校生のコメントにある「 社会的契約 」とは、憲法問題に関係する 微妙/デリケートな事項なのだ。


憲法に明記されている以上、祖国に帰らずにマレーシアに残った人々の 後の世代(子供 孫など子孫末代 ) にも 独立時の社会的契約が 継続適用されるのか、という点 についての回答は明白だ。


その憲法に同意できないなら、(1)マレーシアの国籍を捨てて 他国に出て行くか、あるいは、(2)憲法改正運動に参加して かつ アゴン(国王)にも嘆願する かの2つの選択肢しかない。

しかし 後者の選択は、1969年の暴動の再来を警戒する政府によって 厳しく監視されるだろう。



MM2Hホルダーとして外国人の私が ブミプトラに関して 良い とか 悪い とか 言うのは 差し控えるほうが良さそうだ。


悪い と皆に言いふらすような行為をすれば、移民局からは 「じゃぁ マレーシアに来なきゃいいでしょ、禁止行為の政治活動によりMM2H 取り消しね」、 と言われる可能性があるし、 良い と言えば、華人の多いイポーなので、華人から怒られるからね〜。





(補足)

:

ブミプトラ優遇政策は オランアスリ にも(憲法には明記されていないようだが、実務上は) 適用される。 なお、サバ / サラワク 州 の土着系住民にも 優遇政策があるようだが、私は未研究。以下は 今後の研究課題。


Ditch ‘Malaysian Malaysia’ if serious about Orang Asli rights, Perkasa Youth tells DAP | Hornbill Unleashed

https://hornbillunleashed.wordpress.com/2016/12/12/ditch-malaysian-malaysia-if-serious-about-orang-asli-rights-perkasa-youth-tells-dap/#more-97489


Former judge: Orang Asli don’t enjoy same constitutional protection as Malays, East Malaysians | Malaysia | Malay Mail Online

http://www.themalaymailonline.com/malaysia/article/former-judge-orang-asli-dont-enjoy-same-constitutional-protection-as-malays#KRfXpt68io8Epl4U.97







以上 (10/2 記)