gary1212のブログ : マレーシア、イポーでの生活。

滞在期間がマレーシア以外の時も 含んでいます。

マレーシア-イポー長期滞在生活での日常での出来事を書いてます。

ブログの目的は、もっぱら自分自身用の日記です。

不特定多数の方に情報を早く正確に伝達したい というつもりでは全く書いていません。

このためローカルの友人からもらった情報で、それが不確実な情報でも 私が関心を持ったものは 書いています。

繰り返しますが 読者のみなさんへの確実/正確/迅速な情報提供をしたい と思って書いているのではありません。

それじゃ困る と思う方は どうぞ 読まないでください。

よしなに。

住居のレント契約 (保証金) : 大家側の都合でキャンセルの場合 デポジットは倍返しになるのか。




マレーシアには 不動産賃貸借に関して一元化した法律がない。


住居レント契約にあたり 日本の感覚で デポジットを入れていて 安心していても、大家側の一方的な都合でキャンセルになる場合がある。


そして 、テナント側としては 突然のキャンセルに対して 「契約違反なので、デポジットの倍返しをせよ 」といくら主張しても、大家側は 応じることはない。


要するに 日本のように 賃借人側を保護しようとする法律体系が マレーシアには存在しないのだ。



次の新聞記事でも テナントの契約違反に対しては大家側は契約違反からのダメージには保証金を充当する権利があるが、逆の場合 つまり 大家側の契約違反に関しては、テナント側を保護する法律上の手当てがない 、 このため、保証金 に関するテナント側の権利保護(保証金回収)のため、中立機関の設置が必要という提言がされている。


For instance, establishing a neutral third party that protects tenant's right to deposit recovery while allowing the landlord to use the deposit if the tenant breaches the agreement," he said at the 20th National Housing & Property Summit 2017 here this morning.



http://www.thesundaily.my/news/2017/10/06/property-rental-law-needed-malaysia




私には 苦い経験がある。



キャメロンからイポー郊外に住居移転をした時のことだ。


キャメロンは寒すぎるのでイポーに降りようと計画して、キャメロンから数回 イポーに下見に来て 住居を決めた。


転居予定時期の半年前に 不動産エージェントを通じて 住居の年間賃貸借契約を結び デポジットも契約書通りに2ヶ月分 大家の銀行口座に振り込んだ。


ところが 直前になって 大家が 資金繰りのためその不動産を売却することになったので 1ヶ月間しか貸せない ことになった というメール連絡が不動産エージェントから届いたのだ。



ちょうど 日本に帰国中の時だった。


キャメロンの住居はもう退去済みで、日本からマレーシアに戻ったら そのまま イポー郊外の住宅に転居できるように 全てを手配済みの状況で、数日後に マレーシアに戻るという時に そう言うメールが不動産エージェントから届いたのだ。



ふざけたことに 「 一ヶ月間のレントは契約条件通りの月額料金で良い と大家は言っている、だから おまえは、ホテル代は不要で この住宅に滞在して 次の住居を探すことができる というアレンジを大家はしてくれることになった。これは おまえにとって損な話ではない、グッドだろう」 と言うのだ。



日本の常識では、大家側に契約違反があれば デポジットは倍返しだ。


しかし マレーシアには 倍返し という実務はない ということを その時 知った。



契約書にも 倍返し の条項はない。


契約書があるじゃないか、とか、デポジットは一体何のためだったのか という交渉は、もはや 時間の無駄だと悟り、 大家側からのふざけた提案は即座に却下し、大急ぎでイポーでの短期間滞在用のホテルを予約し、マレーシアに戻った。



そして ホテル滞在中の2週間の間に 新しく賃借用の住居を見つけ なんとか 転居した。


もちろん 不動産エージェントは別のところを使った。


ホテル代という追加コストが発生したが、大家側/不動産エージェント には、「ホテル代の追加コストは請求しないので、直ぐに デポジットを全額返せ」 と申し入れた。



当然、全額 返金して来た。







日本では 大家側の都合でのキャンセルの場合 デポジットは倍返し と書いたが、実は 正確な表現でない。


日本の場合も 複雑なのだ。


デポジットの性格が 手付け金なら 倍返しの実務があるのだが、保証金の性格なら ダメージ分がカバーの対象なのだ。


デポジットが保証金の性格の場合には、こういうことになる、 つまり、大家側の契約違反で その住宅に入居できないことになった場合、保証金は全額戻るが、倍返しではなく、入居できないことから発生した追加コスト分を請求できる のだ。




マレーシアには そもそも 手付け金 という考え方が存在しないのだろう。


だから 大家側に対して、倍返し ということを言ってみても 無駄なのだ 。


もし、倍返し を確保したいなら 契約書に その旨を明記しておくことだ。


でも標準形の契約約款には そのような 倍返し条項は存在しないから、倍返し条項を入れてくれ と言っても拒否されるだろうなぁ。





マレーシア弁護士会のホームページを見てみた。


やはり 不動産賃貸借を一元的にカバーする法律はマレーシアには存在しない と書いてある。



(参考)


公益社団法人 全日本不動産協会 | 保証金の一部前払いと手付

http://www.zennichi.or.jp/law_faq/保証金の一部前払いと手付/


Important Things To Note About Your Rights If You're Renting A Room Or House In Malaysia

http://says.com/my/lifestyle/things-you-need-to-know-as-a-tenant-in-malaysia


マレーシア弁護士会

http://www.malaysianbar.org.my/index2.php?option=com_content&do_pdf=1&id=3284




以上 (10/8記)