イランとイラク (5) ( 違いのまとめ 、 逃亡者ゴーンはアラブ系 )
米国とイランが戦争になったら日本にはどんな影響が出るのか心配だ、とテレビでも解説していた。
シーア派の弧は写真のとおりイランとイラクに跨っている。
イスラム教の中でも、マレーシアはスンニ派だがイランはシーア派だ。
以前キャメロン高原に住んでいたときマレー系のお姉さん達と知り合いになった。
ある時お姉さん達に聞いてみたことがある。
「あなたの信仰しているのはスンニ派(スンナ派)ですか、シーア派ですか。」
まだ独身の若い人達だったからなのだろうか、「えっ 何? そんなの知らないわ」という反応だった。
シーア派というのはスンニ派より過激な傾向があるのだろうか、いずれにしてもマレーシア は穏健なスンニ派であり、我々異教徒にとっては住みやすい環境にありそうだ。
以前から気になっていたことがある。
1) イスラム教はなぜ スンニ派とシーア派に分かれているのか。
2) そしてなぜイランはシーア派なのか。
3) イラン人とイラク人は民族的/人種的にどう違うのか。
4) アラビアとペルシャの違いは。
これらについては なにやら歴史的背景がありそう ということくらいは分かるものの、以前からどうもスッキリしていなかったので ちょっと勉強し「 イランとイラク 」シリーズを書いてきた。
その勉強結果を要約してみた。
1) イスラム教はなぜ スンニ派とシーア派に分かれているのか。
:
血統の正統性を重視するのがシーア派であり、スンニ派は血統性には拘らない。仏教やキリスト教のように教義の違いから派生した宗派の分離ではない。
2) そしてなぜイランはシーア派なのか。
:
ペルシア帝国の栄光が忘れられないイラン人にとっては、征服者の押し付けてきたイスラム教に改宗せざるを得なかったものの、ペルシア としてのプライドがあるので 多数派のスンニ派に取り込まれることが嫌だった。
3) イラン人とイラク人は民族的/人種的にどう違うのか。
:
神話の世界に遡るのだが ノアの箱舟で生き残った3人の息子達にはセムとハムともう一人がいた。それぞれの子孫が メソポタミア(セム語族)とエジプト(ハム語族)ともう一つ別の地域に移り住んで行った。
イラク人はセム語族でありアラブ系。
イラン人はアーリア語族なので多分セム/ハムではないもう一人の息子の子孫の系列ということになりインドヨーロッパ系。
4) アラビアとペルシャの違いは。
:
アラビア/アラブ人はセム語族系であり ペルシア/イラン人 はアーリア語族系。
ちなみに 逃亡者ゴーンがレバノンで 英語/フランス語/アラビア語 の3カ国語で会見をしていたが、彼はアラブ系。
より詳細にはフェニキア人の系統だ。
以上(1/11記)